「もっと手伝って」と奥さんに言われた時、どうしてる?

ある日ふとした瞬間に、「もっと手伝って」と奥さんに言われた。

仕事も頑張ってるし、頼まれたことはやっているつもりなのに……。そんなふうに戸惑った経験、ありませんか?

夫は悪気もなく、むしろ「ちゃんとやっている」という気持ちすらある。でも、奥さんの気持ちはそうじゃない。

このすれ違いには、ある根本的な“認識のズレ”があります。

■ 妻の本音:「指示待ち夫」にイライラしている

「洗い物お願い」と言ったら、そのときはやってくれる。でも、それだけ。 洗い物がシンクにたまっていても、床が散らかっていても、自分からは動かない。

夫は後でいいかと思って置いているだけで、いつの間にか奥さんがサッと終わらせてくれてることもあるでしょう。

でも、妻から見ると“言われたこと”だけをやる夫に、こう思っています。

「なんで気づかないの?」

「一緒に暮らしてるのに、私だけが気を張ってる」

つまり、「もっと手伝って」の背景には、家事や育児そのものよりも、 “気づこうとしない夫の姿勢”への不満があるのです。

■ 夫の本音:「怒られてる気がするし、どうしたらいいか分からない」

一方、夫には夫の事情があります。

  • 悪気はない
  • 指示されたことはやっているつもり
  • 臨機応変に動くのが苦手。
  • 奥さんの言葉が“怒られているように”聞こえる

たとえば、「もっと手伝って」と言われたとき、 夫の中には「何が足りなかったんだろう?」「どうすれば正解なんだ?」と混乱が起きています。

その結果、沈黙したり、ムッとしてしまったり、言い訳してしまったり——。

それがさらに妻の怒りに火をつけてしまうという、負のループが生まれがちです。

■ すれ違いの正体は、“想像力”の差

このすれ違いは、能力の差でも性格の不一致でもありません。

「相手の視点を想像する力」が足りていないだけです。

夫婦は違う立場、違う時間の流れで日々を過ごしています。 仕事のストレス、家事育児のストレス、それぞれがそれぞれに抱えている。

ただ、「家事に気づく・行動する」ことは、毎日家の中で動いている人にしか分からない感覚です。

妻が言いたいのは、「手伝って」という単なる作業依頼ではなく、 「私の立場にちょっと寄り添ってほしい」というサインなのです。

■ 解決のカギ:「ちゃんと話す」それだけでいい

では、どうすればいいのでしょうか?

答えはシンプルです。

まず、妻の話をきちんと聞いてください。

  • どんなことが大変に感じているのか?
  • どうしてほしいのか?
  • 自分が無自覚だった負担や配慮の足りなさはなかったか?

それを“聴く姿勢”で聞くだけで、奥さんの気持ちはかなりほぐれます。
そのために2人の時間をとること。スマホやテレビは付けずに目を見て話しあう姿勢をとることも重要。

色々話を聞いてあげるだけでも、奥さんのイライラした態度が減るはずです。
お互い認識のズレを解消していきましょう。

■ 「話す時間をつくる」ことを、習慣に

とはいえ、普段はなかなかゆっくり話す時間が取れない夫婦も多いでしょう。

ここでは、「2人で話す時間」を意識的につくるおすすめのタイミングをご紹介します。

  • 週末の朝、30分だけ話す
  • 子どもを寝かしつけて、テレビを消して話す
  • 月に一度、家事や子どものことを話し合う“家族会議の日”を決める

こうした時間は、たまった感情を吐き出す場でもあり、未来に向けた設計の場でもあります。
夫からこのような提案があると、奥さんも安心してくれるのでぜひ試してみてください。

■ 「できない」ことは、できないと言っていい

もし実際に話し合いをしたときに、奥さんからいろんな要望が出てきたらどうしたらよいのでしょうか。

ここで重要なのは、何でもかんでも我慢してやろうとしないことです。

奥さんの要望をすべて受け止めるのは無理があるし、長続きもしません。

だからこそ、こう伝えてみましょう。

  • 「それは難しいから、土日ならできる」
  • 「毎日は無理だけど、週2ならできそう」
  • 「この家事は苦手だけど、こっちなら任せて」

交渉するのは悪いことではありません。むしろ、自分がどこまで協力できるかを言葉にすることで、奥さんにも安心感が生まれます。

■ 最後に:一緒に暮らすって、どういうこと?

「もっと手伝って」と言われたとき、 ただの作業分担の話だと受け止めてしまうと、夫婦関係はどんどんすれ違っていきます。

本当は、「一緒に暮らしているって、どういうこと?」を問われているのかもしれません。

  • 一緒に考えること
  • 一緒に悩むこと
  • 一緒に決めること

夫婦は、同じ方向を向いて、同じ目的地に向かうチームです。

その第一歩は、「もっと手伝って」と言われたときに、 心を開いて「どうしたの?」と聞いてみることから。

手伝うことも大事。でも、気持ちに寄り添うことは、もっと大事です。

それが“自然な愛妻家”としての、いちばんの近道かもしれません。

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